だけど、そんなことはそう長くは続かなかった



ある日、私はいつも通りバイトから家に帰っていた



ガチャーー



「ただいま〜」



シーン…



「お母さん?」



いくら呼びかけても中から声は聞こえてこない



どこか行ったのかな…?



部屋の中探し回ってもどこにもいない



きっと出かけたんだよね…



でも、自転車と車はあったよね…?



歩いて行ったの?



どこまで…



心配になってお母さんの携帯に電話をかけてみるものの…



「出ない…」



お父さんがいなくなってから出かけることなかったのに…



しかも、1人で行くとか珍しい…



心配になった私は急いでお母さんを探しに外へ出た



お母さんが行きそうな所ってどこだ…?



なんて考えながら自転車を走らせていると、ふと横にある喫茶店に目が止まった



「そういえば、ここって確か…」



思い当たる節があったので入ってみると



「やっぱりいた…」



お母さんがいた



この喫茶店は、お父さんとお母さんが2人でよく行ってたお店



たまに3人で行ったりしてた



お母さんの元へと行くと横の席に工藤先生と松田先生がいた



「なんでお前がここにいるの?」



驚いた顔をして工藤先生が聞いてきた



「お母さんを迎えに来たの」