…遅い。



由愛の部屋から物音どころかドアの音さえしない。



学校に残っているのか?



それにしても遅いな。



なんて心配していると車が止まる音がした。



やっと帰ってきたか…



俺は、由愛か確認するためドアを少し開けた。



そこで見たのは…



「ひゃっ…」



由愛が知らない男に連れ去られる所だった。



「由…愛!!!!」



急いで部屋を出たがすでに車はなかった。



くそっ…!



俺は、追いかけようと車を走らせようとしたその時、携帯が鳴った。



「もしもし。」



『工藤先生?』



その1本の電話で俺は、どうして由愛が連れ去られたかわかった。



「お前か」



『なんのことです〜?』



「とぼけんなよ。由愛はどこだ。」



『さあ?言ったでしょ?どんな手を使ってでも手に入れるって…』



「こんなことしても俺の気持ちは変わらないってことわかんねぇのかよ。」



『たとえ、工藤先生は変わらなくても宮本先生はわかりませんよ?』



「どういうことだ。」



『知りたいなら宮本先生のところへ行ったらどうです?結構いいもの見れますよ…』



「由愛になにかしたら許さねーぞ」



『自分の目で見て確かめてください。早くしないと手遅れになっちゃいますよ?』