彼の手は大きくて温かい。




私の名前は倉波 カレン
ここは教室
今クラスの男子、滝末 颯斗に無理言ってお願いしてある実験をしている。その実験とは……


<男子と女子が手をつないだらどんな感じか実際に試してみるということ。>

私は恋愛経験ゼロなのでクラスの女子の恋愛トークは全くと言っていいほど、理解不能なのだ。

だから、私は恋愛トークを少しでも理解しておかないといけないと思い唯一、男友達である滝末 颯斗にお願いした。


ま、当然彼は全力で断られたのだが私のお願いは必ず聞いてくれる人だったので実験を始められることができたのだ。

しかし、1つだけ疑問がある…。

私が手をつないだらどんな感じか実験してみたいと言った時になぜか、彼は顔を赤くしていた……。


なぜだろう…。

ま、そんなことより手をつないだらどんな感じか実験に試してみることにした。





わたしは彼の指先とじぶんの指先を合わせてみる。

すると
彼「……っっっ!!!、つめて……。」


……、そりゃそうだだって私は冷え性なんだら。

わ「…指先だけじゃなくて…もっと…手
の…中まで…」

……彼の…手の温かさが…だんだんと伝わってくる…。

わ「お前の言葉はいつもつめたいのに 手はあったかいんだな、クスッ。」

すると、彼の頬が少し赤くなった。

??なぜだ??


彼「オイッ!…もういいだろっ/////。」バシッ

彼が急に手を離そうとしたけど、わたしが手をまた掴み直した。

わ「ダメ。私の手が同じ体温になるまで
つなぐの。」

手のひらも…指先も…


あなたの熱であつくて…ジンジンする。




すると、キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴る


彼「!?!?、もう、じゅうぶんだろ! !」バシッ

あ、手を…ふりはらわれた……。

彼「…じゃあな…。」スタスタ、ガラガラガラ、バタン。……。

そう言って彼は私の前から消えて行った

私「……あったかい…。」

いつも 氷みたいにつめたいのに…

わ「ほんとうに 同じ体温になったんだ」

あいつの手…大きかったな…

私は自分の心臓の音を手に当ててみると、ドクンッドクンッドクンッドクンッ…




… 早くなっていた…


彼の大きな手に つつまれて重なった部分から あまい熱が 伝わってきた。
指をからませると まるで春の太陽に つつまれる雪のように 二人の体温が じんわりと とけあっていくようで …
手を重ねる……
たった それだけのことなのに ぬくもりは てのひらを通して

心の深い部分にしみていくようだった。


こうして、あいつのおかけで私は少しだけだが女子の恋愛トークを理解できるようになった。