《一護side》

今、俺は小学生の頃からの親友の怜斗と

一緒にこれから入学する椿高等学校に向

かっている。

「なぁ、一護。春ちゃんとふわりちゃん

って子、可愛いのかな?」

「噂になるくらいだから可愛いんじゃなぃ?」

そう、俺らが気になってるのは学校よりも

この春ちゃんとふわりちゃんって子の事。

入学する前から噂が出ていて、俺と怜斗も

耳にしていた。

「てかさ、いい加減うっとおしいね。

この女の子達からの歓声。」

怜斗が言う。

そう、俺達は女子の間で噂になってた

らしく、校門を入ってからというもの、

誰か知らない人が声かけてきたり、

告白してきたり、プレゼントくれたり。

だけど、俺達は全部無視で教室へ向かう。

向かっている途中、聞こえてきたのは、

男子達からの大きい歓声。

そして目に入ったのは怯えている女の子。

それを見た怜斗が言った。

「あれ、ふわりちゃんだ。」

「困ってるっぽいな。」

「助けに行こうぜ、一護。」

「あたりまえ。」

気づいたら口が勝手にそう言ってて。

なんか、ほっとけずにいた。

多分、同じ境遇だからほっとけなかったん

だと思う。その時は。

教室の前に立った俺達に少し後ずさった

ふわりちゃんがぶつかって。

振り返ったふわりちゃんと目が合って。

心臓がとまるかと思った。

すごく綺麗な顔をしてたから。

それから男子達にやめるように言った。

言葉を発した途端、次に聞こえてきたのは

女子の歓声。

するとふわりちゃんは涙目になってて、

小さく、泣きそうな声で、春ちゃん〜…と

言っていた。その言葉を聞いた瞬間、

次は後ろのほうから落ち着いた声が聞こえ

た。その声が聞こえるとふわりちゃは、

春ちゃん〜!と言いながら抱きついた。

…うん。とりあえず、この教室にこの

二人を入れるのは危険すぎる。