** 飛翔 **





転校生は何事もないような感じで俺を見てきたんやけど、かなり雨が降ってるから前髪が目に入っててん。


俺は傘のなかに転校生…朝倉を入れて自分のバックからタオルを取り出して髪に乗せた。



「風邪引くで」


転校生は目を丸くしたが、すぐに

「ありがとう」

と微笑んだ。






あぁ。ここ何週間かで俺は気づいてたんやな。それを認めたくなかっただけやんか。

こいつ…転校生は
俺らに本当に興味ないってこともあいつとは違うってこと。




「…くしゅんっ」

「何で傘持ってへんねん」

「…さっき小学生の子にあげた」




無表情でわかりづらいやつやけど、実はいいやつじゃないかと期待してもええんやろうか。






「倉庫行くで、琉伊」


俺は転校生、いや…
琉伊の腕を掴んで歩き始めた。