** 飛翔 **





少し虚ろな目で、
耳からイヤホンを外しながら彼女は僕を見た。



「…誰」



僕は予想してたからにこにこしながら、

「僕は天宮千尋だよ、宜しくね、琉伊ちゃん」

と言った。





「うん」

と彼女はそれだけ発した。



噂通りの子だなあと思いながら疑問に思ってたことを聴く。








「何でアルバム何かみてたの?」



その質問に彼女は少し目を開いたが、すぐに元通りの表情になって



「高校生活ってどんな感じが気になったから。この学校はどんなところか知るためかな」

なるほどなるほど。


「それでアルバムか~!勉強的なやつね!感心感心」

と僕はいつも通りに笑っていると…