「お前、名前は?」

「…なんで」

「別に」

「そっちは」


…。俺の名前知らねぇのかよ

ちょっと待て、何だこの女
俺と話してても普通というか表情1つかわんねぇ…







俺は珍しく折れた。


「……矢神 桐」



久しぶりに自己紹介したなぁと思った。無性に煙草が吸いたくなって、ポケットから煙草を取り出す。



そして、1本取り出して口にくわえた。








「矢神ね、助けてくれてありがとう。じゃ」



と言って、教室を出ていこうとする。