「殺気出しすぎ」 一言、その女は言った。きれいな透き通った声だ。 俺の憧れの人とはほど遠い、声だった。 それよりも、殺気にびびってねぇのか? 俺がこわくねぇのか? と色んな疑問が頭を埋める。 「…お前、こわくねぇのか」 気づいたらこんな質問を投げ掛けていた。 「怖くないよ、あれくらい…」 と無表情で俺の質問に答えた。 "あれくらい" その言葉の意味をその時は深く考えなかった。