「どうしたん、桐」

ふとそう聞いてみた。

桐とは確かにいつも言い合いみたいな感じやけど
これでも副総長やしクラスも一緒やし真面目な話もするねんで?


「…お前は、あの二人、どう思う?」



あの二人って、仁と琉伊のことやんな?

「んー…せっかく海に来たのにもったいないなぁって思うで」


「お前に聞いた俺が間違いだった」
と睨んできた。ひぃぃ…



「どう思うって、お似合い的な?意味やったら
俺の勝手な想像やけど、兄妹って感じに見えるで。

特に仁が琉伊に対する接し方は溺愛する兄貴!って感じやでなぁ

俺も妹と弟おるけどやっぱり妹の方が可愛く感じるで!」

「…兄妹…か」

「まぁ、俺以外みんな異性の兄妹おらんからわからんけど。
たまにおるやん、過保護な兄貴みたいむっちゃ溺愛してる兄貴!

それに仁はぴったりやと思うで」

と笑いながら言うと、「なるほどな」と納得してた。







「…人を好きになるって難しいな」





その小さな呟きは波にかき消されて俺には届かなかった。