** 飛翔 **



「意味がわからないでしょ…」

そう言って笑う善さんの顔はとてもとても悲しそうだった。





「…戻りたくても戻れない場所っていうのかな

俺たちだけが進んで、あの場所は何も変わってない
変わってるのは人だけ。

春が来て、夏が来て…
同じように季節がくる。変わっていくのは人。

それが俺にはどうしようもない寂しさになってる。


いついっても場所は変わらないのに、もう戻れないんだって。


そこが無くなれば心の整理もつくはずだけど、
今も変わらずそこにあるから、なかなか整理がつかないんだ」




善さんの視線の先には真っ青な海が広がっている。