** 飛翔 **





と、俺が話終えると


「…そっか‥知ってるんだね
それだけ奏にぃは善くんたちを信頼してた。」


と、遠くを見て言う琉伊。




「‥撃たれたの。
あたしと本家に帰ってる途中に…。

あたしの腕の中で息を引き取った




約束破っちまったなって言ってたけど。
その約束は…善くんとの約束だったんだね」


悲しい顔をして自称気味に笑う琉伊に
とてつもなく胸が痛くなる。





俺は琉伊の頭をポンと触れた。

自分が大好きな兄が、
目の前で殺されるのを見てどんな気持ちだったんだろうか。

悔しい。
何も出来ない自分がもどかしい、そう思ったんじゃないだろうか。



琉伊の瞳は黒く黒く何も写してないように闇にのまれているようだった



「そのあと…

叔父さんからは佐野組にバレて始末されたって聞いて。
善くんたち、仲良かったのに連絡取れないしお葬式にも来なかったから

来れないはずなんだけど
あのときのあたしはまだこの世界のこと知らずに…ただただ。恨んだ」



「…ごめんね、琉伊。

一人で辛かったよね、怖かったよね。
駆けつけてあげれなくてごめん。




でも…
これからは何があっても何に代えても琉伊のこと守るから」




一人で苦しんで誰にも言えずにただ
俺たちのこと恨むことでしか生きることがなかったよね。

でもね、琉伊
これだけは誓って言えるよ。







「俺もね…
奏のこと…大好きなんだ。俺の大事な大事な…親友なんだ。

いつか佐野組と東条組が手を取り合い
奏のお墓に行けたら…いいな…」

ふと出た言葉に琉伊は
善くん、ありがとうと呟いた。


これから先
どんなことがあっても守るよ、琉伊。





奏との約束はね、もう1つあって。

"もし俺に何かあった時はその時は琉伊を…妹を宜しく頼む"


俺は約束とか守るような奴じゃないけど
これだけは奏との最後の約束だから、守ってみせるよ


だからこうやって引き合わせてくれたんだろ?





夕陽が沈むのを見ながら心の中で奏に語りかけた。