そんな周りから信頼されてきた奏から爆弾発言があったのはいつだったかな、忘れたけど。







「…善。

俺な…東条組の人間なんだ。」





その言葉の意味
適当に親父の仕事見てきた俺でもわかった。


佐野組と犬猿の仲と言われる東条組
その東条組の人間と言われて驚かなかったわけではないが。




だけど、それでも俺は

「奏は奏だよ」

と言ったのは覚えてる。



親の仕事や親の生き方に子どもが巻き込まれるのはおかしいといつも思っていたから。

例え奏が東条組の人間だったとしても
俺たちが出逢ったのは奏だからって、そう感じたから


俺は奏にああ、言ったんだと思う。







そして、奏には妹がいることも聞いた。

東条組の人間というだけで、
友達が出来ずに孤独を感じてるという妹をここにつれてきたいと言ってきた。

そしてその、数日後初めて奏の妹にあった。




それが琉伊、君だ




孤独を感じていると奏は言ってたけど
琉伊も奏と同じような笑顔で俺たちに接し、俺たちそれぞれの痛みを和らげ未来に光を灯してくれた。


それは、また別の機会で。






だから俺たちは奏と琉伊には本当に感謝してる。