** 飛翔 **






奏…


お前が俺との約束を破ったのはじめてだな
何があっても約束、いつも守ってたのに









奏はあのとき…

"何年かかっても
琉伊と戻ってくるから心配すんなっての!"

そういって笑った
俺を救ってくれた笑顔で。


だから信じてたんだ、みんなで。

必ず奏が琉伊とまた
この街に戻ってくるってこと。



俺は琉伊を見た

琉伊が俺の手を握ってきたから
血が出てる俺の手を。





「…奏にぃとあたしのこと、
どこまで知ってるの…」


琉伊が俺のとなりに座り、
海を…地平線を見ながら呟いた。





「…どこまで…か。

自分でも琉伊たちのことどこまで知ってるのかわからない

100%かもしれないし、30%あるいは60%かもしれない。何が100%なのかわからないから。」




すると琉伊は

「奏にぃから聞いたこと、あたしに話してほしい」

といって、冷たい目ではなく
泣きそうな顔をして言うものだから

「…うん、そうだね」

と答えた。