** 飛翔 **





「…お久しぶりです…」


何でそんなによそよそしい態度なのか

琉伊、前みたいに"善くん"っては呼んでくれないのかな。






「…ずっと待ってたよ…」

「…なにを?」

「琉伊…
琉伊、君と奏の帰りをずっと待ってた
この数年。その日君たちを見送ってからずっと」


"奏"その名前を口に出すと
琉伊は無表情を崩した。眉を下げ口を結んだ。















「…‥嘘つき」


静かに、でも確かに琉伊はそう呟いた。
憎しみが込められた瞳を向けられて俺は動揺を隠せない。









「琉伊…、あのあと何があった?」

動揺がバレないようにそう問う。
何が琉伊を変え、奏はどうしているのか聞きたい。


すると更に琉伊は悲痛な表情を浮かべた。



「シラを切るの…?」




そう琉伊に言われても何もわからない。

ずっと奏と琉伊を待ってたのは確かだから。
権力を使って調べもした。けど全然見つからなくて‥。


琉伊が僕を見る目が怖かった
琉伊は俺を敵視しているのは明らかだから


まさか二人でこっちに戻ってきた訳じゃない?







そうあれこれ考えていると

「……殺したくせに…」

そう琉伊は呟いた。








「…奏にぃを…奏にぃを殺したくせにっっ」






悲痛な彼女の叫びが響いた