「…べっべつに…無理ナンカ…してないよっ
ぼく、ほんっとに甘いもの好きだもん」


「そっか」


それ以上は何も言わない朝倉ちゃん。






聞いてきたくせに。







「朝倉ちゃんは、ぼくのこときらい?」


「嫌いも何も
あまり知らないから」


「でも大河とか桐くんと話すときはもうちょっと笑ってるよ」

「…それは瀬川も一緒でしょ」




……あ…




「矢神も鳥井も普通に話してるだけ。
ただ瀬川はさ、あたしのこと嫌いなのわかるから」


ああ、なるほど

朝倉ちゃんがぼくのこと嫌いとかじゃなくて
ぼくがそういう風に見てるからなのか。


誰でも嫌われてるって思う人に普通に話そうとは思わないもんね。




「ぼく、苦手だもん、朝倉ちゃん」

「知ってる」

「でもみんなと仲いいじゃん」

「…それはどうなのかな」

「桐くんも大河も仁くんもちーちゃんも。
ぼくだけ取り残されてるような気がするんだ」

「…別に瀬川は瀬川なんだから、無理にあたしのこと好きになろうとかしなくていいじゃん
みんな瀬川のことちゃんと仲間だって言ってるし思ってるから大丈夫」



…。


何で苦手な人から励まされてるの、ぼく。