憧れの人の名前?
奏(かなで)さんだよ。
名字は忘れた。
というか、教えてくれなかった気がする。
奏さんはさ、俺を前にしてもニカッて笑っててさ
「おいしいもん、食いにいくか~!」
って頭撫でてくれたりしてさ。
目つきと口悪い俺のこと凄く心配してくれてさ、本当に家族みたいにしてくれたんだ。
もちろん、他の幹部の人たちもそれなりに接してくれてたし俺も心開けてたけど、
奏さんは特別というか…。
俺が弱音吐けねぇこと知ってるから、
俺が辛いときとか、
「桐!走りにいくかぁ~!」
っていつものニカッてした顔で夜の町をバイクで案内してくれてさ。
泣けない泣きかた知らないはずなのに、自然と涙出てきてさ。
奏さんも気付いてるけど、気づいてないふりしてくれて…
「桐~!みてみろ!
星がめっちゃ綺麗だぞ~!」
「桐は確かに感情表現へったくそだけど、ちゃんと皆のこと考えてるのわかってっからさ、安心しろ、な?」
ニカッてして
俺の頭撫でてくれるんだ。

