「ちーちゃぁぁぁん、あつーーーい」
パタパタと下敷きで扇ぐ結羽。
「ほんまやなぁ、夏になるなぁ」
バカ大河も暑いと大人しくなるらしい。
俺たちはくっそじめじめした梅雨を越えたあと、溜まり場を空き部屋から屋上へと変更した。
さすがに日向は暑いから、
影になってるところでダラダラとしている。
「最近平和だよね~
あれから"K"の動きもなくてさ~」
千尋が携帯を触りながら言う。
「そうだな、親父もそう言ってたな」
仁も最近は余裕があるみたいで、
前みたいに疲れてはいない。
一人で飛翔を守ろうとか考えてたみたいで、溜め込んでたの丸わかりだったけど敢えて何も言わなかった。