眠れる森の彼女

ナミに話を振られて織原がポスターを眺めながら考え込む素振りを見せている。


「村松先輩ってやっぱり美人だよなー。厚めの唇がセクシーでたまらん!」

「そうね。今年もミスの本命は村松先輩よね」

「椎名っちとこうして並んでるとお似合いだよな。
クソッ! イケメンなんて滅びやがれ!」

「うるせぇな」


最高にうんざりしてきた。


「椎名。怒った?」

「今更だろうが」

「今度、ギャラとして購買のメロンパンおごるから」

「安いギャラだな。別にナミに怒ってねぇよ」

「良かったー! 盛り上げるためには椎名を使わないとね」


やや誇張して喜んだナミは、ふと吏那に目を留めた。