眠れる森の彼女

「吏那は文化祭どうするんだよ?」

「どうするって……?」

「1年ならクラスの模擬店ねぇし、吏那は部活もやってねぇだろ」


基本的に1年は文化祭を見るだけでいい気楽な立場だ。


「私はすることもないし、余り考えてなかったです……」

「なら、俺と一緒に回るか?」

「え……?」

「当番以外は俺も時間を持て余してるだけだし」


婉曲した表現をした自分に辟易する。


吏那と一緒に居たいだけだとストレートに伝えるには距離感が掴めなかった。


吏那は眉を下げ、露骨に困り顔になる。


──嫌だったか?


ジク、と胸に嫌な思いが渦巻いた時、

「……椎名先輩は嫌じゃないんですか?」

と問い掛けてきた。