眠れる森の彼女

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「椎名先輩って去年のミスター桜高なんですよね?」


昼休みに吏那と過ごしている際、文化祭の話題になったところで吏那から質問を受ける。


1年でも知ってるのかよ。


「別に。知らねぇ内に選ばれてただけ」

「椎名先輩は今年もエントリーされてるんですよね?」

「たぶん。勝手にな」

「絶対に今年も椎名先輩だと思います」

「さあな。焼き肉は食いてぇけど」

「焼き肉?」

「今年の副賞なんだと。どうせなら去年つけてくれりゃいいのに」


短く溜め息を零した俺に吏那は声に出して笑った。


「女子は誰になるんでしょうか?」