眠れる森の彼女

席に戻ろうと歩を進める俺に集う多くの視線。


「椎名っち。誰だよ? 今の超かわいい子」


猿のケツかってくらい顔を真っ赤にさせて寄ってくる各務。


厄介なヤツに吏那が見つかっちまった。


「“椎名先輩“って呼んでたってことは1年だろ?
あんなカワイイ子どこで見つけたんだよ?!
汚れた地上に舞い降りた天使か!」

「確かにかわいらしい子だったね」


織原まで各務に荷担するなよ。


「別に誰でもいいだろ」


にべもなく返答し、着席する。


「誰? あの女」

「椎名くんのあんな優しげな顔、初めて見たんだけど」


クラスの女子どもは面白くなさそうな顔をしていた……らしい。