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翌日は珍しいことが起きた。


「今度の文化祭のハロウィン喫茶のことだけど」


登校してから、各務と織原と窓際の席でだべっていたらクラスの女子がやってきた。


「予定通り、裏方班以外は仮装してもらうの。
女子みんなで相談したんだけど、椎名くんにはヴァンパイアがぴったりなんじゃないかって」

「絶対に椎名くん、超かっこいいよ」

「学校中の噂になるって!」

「衣装は鋭意製作中だから楽しみにしててね」


はしゃぐ女子たち。


どうやら俺に選択権はないらしい。


ま、何でもいいけど。


「やっぱり椎名っちが一番おいしい役回りかよ。俺とオリハランは?」