机上で組んだ腕の上に頭を乗せた。


瞼が下がる。


俺の意識は、もう風前の灯火だ。


「椎名先輩ってずるいですよね」

「んー……」

「みんな椎名先輩のことを知れば知るほど夢中になっちゃいます」


内容は聞き取れなかったけど、吏那の声がせつなく響く。


「吏那」

「はい」

「6限終わったら起こして」


弛む意識に身を任せ、俺は眠ってしまった。


「はい。私が起きていられれば……」