眠れる森の彼女

何でも1年がミスターに選ばれるのは俺が史上初で名誉だとか何だとか。


そんな栄冠、犬にでも食わせてやれ。


ミスターになったところで1円にもならねぇなら意味ねぇし。


「ねぇ、椎名。今年のミスター桜高の副賞は焼き肉のお食事券みたいなんだけど」

「マジかよ。お前ら全員、俺に投票しろ」

「万威。いきなり目が輝きすぎ」

「椎名っち、わかりやすっ」


各務にまでバカにされようが気にならねぇ。


腹が膨れるなら話は別だ。


「おい、ナミ。俺の写真撮り直せよ」

「えー? 仏頂面でも椎名はちゃんとイケメンだからいいでしょ。
それにもう4限始まるんだけど」