眠れる森の彼女

間接的に吏那を貶している自覚があったからかナミはきまずそうに付け足した。


こういうとこがナミの体育会系らしい一本気な性格を現していると思う。


「そういえば、椎名のクラスは文化祭で何やるの?」

「あー。確かハロウィン喫茶」

「ハロウィンって、文化祭当日には終わってるじゃん」

「ま。いいんだろ。日付近いし」

「そういう問題?」


ナミと会話を交わしても、体育の授業でサッカーをやっていても、吏那のことが頭から離れなかった。


誰かの噂にも、他人の陰口にも興味を持ったことは一度もない。


面白おかしく吹聴するのも、鵜呑みにするのも馬鹿げている。


けど、吏那の悪評が気にならないかと問われればNOだ。