各務はオーバーなくらい剥れて、机に突っ伏した。


「俺だってエントリーくらいさせろっつーの」

「休み時間短いし、各務に構ってる余裕ないの!
ほら。椎名からね。カメラ目線ちょうだい!」


俺に対して、ナミはチェキを構えた。


「俺は興味ねぇからパス」

「なーに言ってんの。去年のミスター桜高(オウコウ)が!
男なら、二連覇目指せっつーの!」


気怠い表情で答えても、ナミは俺に無断でシャッターを押していた。


機械から吐き出された写真を机に置き、今度は織原の撮影に移る。


織原は律儀にもカメラへ柔らかな笑顔を向けていた。