眠れる森の彼女

驚くほどの力説だった。


「大袈裟」


フッと吹き出してしまった。


吏那は何で笑われたのか理解しかねる表情で俺を見ながら、内側から発光しているような真っ白な肌に赤みが帯びていく。


「昼休み、何で来ねぇの?」

「それは……」

「俺、吏那が来るの結構期待して待ってんだけど」


口端の角度を上げて吏那を見つめる。


「だって……」


困惑がわかりやすく顔に出てる吏那は言い淀んだ様子で、

「……椎名先輩に迷惑かなって思ったんです……」

そう口にした。


「俺に迷惑?」

「……あの、私と関わったら椎名先輩によろしくないと思うんです……」