眠れる森の彼女

***


俺らしくもなく、あれから吏那がどうなったのか気になって仕方がなかった。


俺の言動が基で火に油を注いで、吏那が傷ついていたら……。


そう考えると気が気じゃなくなる。


あー!


──らしくねぇ。


いつもだったら面倒ごとは傍観どころか見向きもしないのに、自分から関わるなんて……。


けど、どうしても見過ごせなかった。


しょうがねぇだろうが。


もやもやをぶつける場所もなく、放課後になり、さっさと教室を出て昇降口に向かう。


ちょうど靴箱に差し掛かった時、

「!」

急にシャツを背後から引っ張られた。