眠れる森の彼女

近づいてきた織原が、人好きする笑みで毒を混ぜた。


「オリハランまで、ひでぇよ! 自分は女子大生の彼女が居るからって俺をみくだしてんだろ?」

「被害妄想はやめてくれないかな。それと、その呼び方も」

「あー! 神様は不公平だー! 何で万威みたいな無気力甘党男子がモテんだよー!」


マジで各務はうっるせぇな。


女にモテて何になるっていうんだよ。


めんどくせぇだけだろうが。


「──ん?」


昼休み。いつも通り、美術室に行く前に体育館前の自販機でミルクティーを買う。


その場でプルトップを開け、口に含んだ。


今日は暑さがだいぶ和らいでいる。


ふと目線を下げた時、自販機横に設置されたごみ箱に空き缶とは異なる物体を目にした。