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「椎名っち。今日の朝、1年のさつきちゃんに呼び出されてただろ?」

「あ? 誰だ。それ」


休み時間。


各務が険しい形相で俺の席へとやってきた。


寝るつもりだったのに。


「そういや、何か告られたな」

「うおーっ! さつきちゃんまで椎名っちかよ!!」


頭を抱えて吠える各務に、自然と眉が寄る。


マジでうぜぇ。


「まさかフったんじゃねぇよな?」

「まさかって何だよ。付き合わねぇけど」

「もったいねぇぇぇ!!」

「声、落とせ。馬鹿」

「何で椎名っちばっかりモテんだよ。俺と椎名っちの何が違うって言うんだー!」

「いや。全部でしょ」