眠れる森の彼女

髪をタオルで拭きながら風呂場から出ると、シャワーを浴びに来たんだろう母親が居た。


大きな白いシャツ一枚羽織っただけでは情事の余韻を隠すどころか更に放出している。


高校生の息子が居るとは、誰も想像が及ばないほど、どこまでも美しく淫らな女だ。


「ふふ。また万威に怒られちゃうわね。
私はちゃんとベッドでやろうって言ったのよ。なのに、あの男キッチンで盛っちゃって……」


乱れた長い髪を直して、母親は妖しく笑みを作る。


「聞いてねぇだろうが」

「冷たいわね。万威」


無視して通り過ぎようとすると、母親が白い足の裏を壁へとつけ、通せんぼする形で俺の通行を阻んだ。