眠れる森の彼女

俺は邪魔じゃなかったのかよ。


参観日なんて一度も来てくれなかった。


本当は寂しかったけど嫌われてるんだと思ったら、甘えられなかった。


俺のために来られなかったなんて知らなかった。


『先生。大目に見てくださらない?
万威は私の息子だと思えないくらい優しくていい子なの。
窓ガラスを故意に割るわけないわ』


停学になった時も、真っ先に俺を信じてたじゃねぇか。


何で気づけなかった。


若くして俺を生んだ母親がどれだけ苦労して俺を育ててきたか知ろうともしなかった。


「椎名先輩……」

「吏那」


何で吏那まで泣いてんだよ。


ベッドに座った吏那の華奢な肩を抱き込んだ。