眠れる森の彼女

体の面から言えば、とにかくギプスが怠い。


松葉杖の扱いにも慣れたが、面倒だ。


咳が出ると、のた打ち回りたくなるほど肺が痛んだ。


だけど“生“を実感する。


「椎名先輩……!」


吏那の笑顔をこの目で見られるのは生きてこそだ。


冬休み中だからか、毎日かいがいしく吏那は俺の病室に通ってくれていた。


一度、見舞いに来た猛さんと吏那が対面した時は、それはもう猛さんがうざすぎた。


『万威はこんなベッピンな彼女作りやがって。この色男。いっぺん死んで来い! って今はシャレにならねぇか。ガハハハハハ』


豪快に笑う猛さんに殺意が芽生えたとしても許してほしい。