眠れる森の彼女

頭の中で椎名先輩の声が聞こえてきた。


──俺の何を差し出しても構わねぇから……


「椎名先輩……?」


気のせいなんかじゃない。


私の頭がおかしくなったわけでもない。


椎名先輩が私に話しかけてきている。


──吏那(リナ)、


──もう一度、俺に笑いかけてくれねぇか?


「無理だよ……笑えないよ……」


──その為なら俺の命だって何だってくれてやっていい。


「駄目だよ……。椎名先輩が生きてなきゃ意味がないよ……」


──頼むよ、吏那。


「……」


──俺は吏那の笑顔が見てぇ……。