眠れる森の彼女

お兄ちゃんが私の手を握り締めたまま答えてくれた。


「じゃあ椎名先輩は……?」


誰も答えてくれない。


代わりに各務先輩が声を上げて泣き出した。


「椎名っち。死ぬんじゃねぇよ……」


嗚咽がひどく、つられるように三宅先輩もしゃくり上げた。


「やだ……」

「吏那……」

「やだよ……椎名先輩……」


知っていた。


椎名先輩は私を庇って車に轢かれたんだ。


私が道路に飛び出さなければ、椎名先輩は無事だったのに。


「椎名先輩が居なきゃ、私、生きていけないよぉ……」


わんわんと泣き出した私をお兄ちゃんが抱きしめてくれた。