***
私はこのまま眠っていたい。
夢の世界は私に優しいの。
和やかで、穏やかで、誰も、何も、私を傷つけない。
目覚めたって厳しい現実が待っているだけ。
代わりに夢の世界は何もないけど……。
『また逃げるんだ?』
私の弱さを私が笑う。
『現実と向き合わなきゃ椎名先輩に会えなくなるよ』
それはやだ……。
椎名先輩は夢より幸せな現実を私に教えてくれた人だから……。
「──吏那、起きたか?」
「お兄ちゃん……」
寝覚めの目に真っ白な天井が飛び込んできて開きにくい。
お兄ちゃんの声だけは顔を見なくても判別できた。
「私……」
まだ意識が重たい。
上半身を起こそうとすると、肘に痛みが走った。
見るとガーゼが貼られている。
私はこのまま眠っていたい。
夢の世界は私に優しいの。
和やかで、穏やかで、誰も、何も、私を傷つけない。
目覚めたって厳しい現実が待っているだけ。
代わりに夢の世界は何もないけど……。
『また逃げるんだ?』
私の弱さを私が笑う。
『現実と向き合わなきゃ椎名先輩に会えなくなるよ』
それはやだ……。
椎名先輩は夢より幸せな現実を私に教えてくれた人だから……。
「──吏那、起きたか?」
「お兄ちゃん……」
寝覚めの目に真っ白な天井が飛び込んできて開きにくい。
お兄ちゃんの声だけは顔を見なくても判別できた。
「私……」
まだ意識が重たい。
上半身を起こそうとすると、肘に痛みが走った。
見るとガーゼが貼られている。
