眠れる森の彼女

お兄ちゃんは頭がかちこちに固いんだ。


絶対に今は彼女が居ないからって私に八つ当たりしてる。


「大丈夫だってば」

「ま、何かあったらすぐに連絡を寄越せ。それに余り遅くなるなよ。まだアイツに体を許すのは早いからな」

「お兄ちゃんサイッテー!!」


私はぷんぷん怒りながら、お兄ちゃんに椎名先輩の家まで送ってもらった。


503号室、と。


お兄ちゃんは私が部屋に入るまで見届けてくれているようで、まだ車は通りに停まっている。


私はお兄ちゃんに“ありがとう“と手を振ってから、チャイムを鳴らした。


ここでいつも椎名先輩が暮らしているんだと思うと、心音がうるさくなってきた。