眠れる森の彼女

あのバイク、椎名先輩のだったんだ!


しかも、バイクで通学してたの?


椎名先輩の秘密を覗いてしまって、鼓動は加速するばかり。


椎名先輩は私たちより先にバイクを走らせて消えてしまった。


不良……なのかな?


あのバイク、何だかいかつかったし。


でも、かっこよかったな。


『吏那、どうした? 顔が赤くないか?』

『な、何でもないよ! お兄ちゃん』


この時から私は憧れだけだった椎名先輩に恋をしてしまったんだ。


無謀な恋だった。


遠くからでも椎名先輩を見られた日は嬉しくて、椎名先輩を見られるかもって期待だけで学校に行っていた。