眠れる森の彼女

そこに幼稚園くらいの男の子を連れたお母さんが、赤信号で停まった。


その横をサラリーマン、OL風の女性、自転車に乗ったおじいちゃん。


車が来ていないことがわかると、みんな渡っていく。


小さな子供が見てる前で良くないよ。


眺めながら少しムッとしていると、一人だけ赤信号で立ち止まった人が居た。


あれは2年の椎名先輩だ。


椎名 万威先輩のことはみんなが騒いでたし、私も廊下で擦れ違った時は高校にはテレビでも見たことのないような完璧な美形が居るんだなって驚いた。


180センチ近い長躯。細身なのに、ひょろっと頼りない訳じゃない。


色素の薄い髪はサラサラで、二重だけど鋭い眼差しをいつも気怠そうに細めている。


かっこつけてないのにかっこよくて、高校生特有の浮ついた感じもなくて、何だか色気もある。


まだ高校のことよくわからないけど、椎名先輩の存在感とオーラは、きっと抜きん出てると思う。