眠れる森の彼女

椎名先輩には話してないけど、初めて話したあの日より前から、椎名先輩のことが好きだった。


睡眠障害を抱えている私は一人じゃ外を出歩けない。


いつもお兄ちゃんに学校まで送迎してもらっている。


あれは、高校に入学して一ヶ月くらい経った頃だったと思う。


クラスにはすっかり仲良しグループが出来ていたけど、いつも私は一人で居た。


私の睡眠障害を理解してくれる人なんて居ないと思ってたし、話すのが怖かった。


信じて打ち明けても、知らない間に広められそうだし、変な目で見られたくない。


睡眠障害だとはっきり診断される前は先生たちにも叱られ続けた。


私、眠りたくないんだよ。


なのに、どうしてか意識が失くなっちゃうの。


すごく怖い、誰か助けて……。


声にならない叫びは誰にも届かなくて、私から友達が一人、また一人と遠ざかって、気づけば傍には誰も居なくなっていた。


あんな思いしたくない。


だったら高校では最初から一人で居ようと諦めて、塞いでた。