眠れる森の彼女

「奇跡……」


冗談で言ってるのかと思えば、切実なほどに吏那は真剣な表情を象っていた。


「俺なんてどこにでも居ると思うけどな」


吏那は辺りをきょろきょろ見回してから、

「ほら。居ません」

と、どこか怒ったように告げた。


「前も言いましたけど、椎名先輩はわかってないんです。自分がどれだけ特別な存在か」


俺、何で年下の吏那に説教くらってるんだ。


「椎名先輩は私に引け目を感じる必要ないって言ってくれましたけど、椎名先輩だって同じです。
どんなことがあったって私が椎名先輩を嫌いになるなんてこと絶対ないですから」