眠れる森の彼女

目眩がするほど甘すぎる香水の匂い。


高いピンヒールを履き、ほど良くむっちりとした細長い足はメッシュのストッキングで覆われている。


誰がどう見ても“夜“の女だとわかるだろう。


「こんなところで万威に会うとは思わなかった。
何してるの?」


上目で見上げる母親は、匂い立つ女の美しさをぬらぬらと放出している。


「何でもいいだろうが。離せよ」

「えー? いいじゃない。家では甘えさせてくれないし」

「家……」


吏那が放心したような顔で俺に絡み付く母親を見つめながら、呟いた。


絶対、誤解しちまってんだろうが。


「万威。この子、誰?」