眠れる森の彼女

お目当ての品を手に入れた吏那は満足そうだ。


意外だったのは、吏那が黒で無地のブランケットを選んだこと。


吏那のことだから白とかピンクで、キャラがプリントされたファンシー系の膝掛けを好むかと思ってた。


「宗志さんどこに迎えに来るって」

「西口のロータリーだって言ってました」

「そろそろ向かうか?」

「はい」


どちらからともなく自然と繋いだ手。


吏那との距離が縮まってるって感じてるのが俺だけでなければいい。


「万威?」


人混みの中、不意に俺を呼び止めた声。


すぐに誰なのかわかって、胸に黒い靄が広がる。


「やっぱり万威ね」


人目も憚らず、正面から抱き着いてきたのは俺の母親だった。