眠れる森の彼女

「片時も目が離せねぇ女だよな」

「え……?」

「何でもねぇ。買い物って何が見たいんだよ」

「学校で使える膝掛けが欲しいんです。教室は寒いので」

「了解。って言っても俺もよくわからねぇから適当に回るか」

「はい!」


平日なのに人だらけのファッションビルを幾つか巡る。


女の買い物に付き合わされてる男の心境なんて考えたこともなかったが、少なくとも居心地がよいものでないのは確かだ。


ま、いいか。


と、吏那の笑い顔だけで絆されるのだから、ほとほと俺は吏那に弱い。


「椎名先輩。付き合ってくれてありがとうございます」