眠れる森の彼女

机に前傾になり、咄嗟に吏那へ手を伸ばし、体を支える。


ひやりとした。


なんて生易しいものではない。


生きた心地がしなかった。


吏那は安らかに寝息をたてている。


これが吏那の睡眠障害。


宗志さんから聞いて充分に理解していたはずだったが、目の前で起こってみて初めて、その怖さを思い知る。


本当に何の前触れもなく、忽然と寝てしまう。


俺は自分の腿の上に眠りの世界に攫われた吏那を乗せた。


綺麗な寝顔だ。


吏那は汚れた地上に舞い降りた天使だと、いつか各務が狂った形容をしていたけど、あながち馬鹿にできねぇ。