眠れる森の彼女

長い睫毛が瞬きの度に揺れている。


今日は髪を耳の後ろで二つに結っていた。


吏那はこんなに真剣な表情で勉強するんだな。


吏那が何も言ってこないからネクタイピンの話題を出していない。


忘れたと思われてるかもな。


どうしても見つけられなかったら、その時に言うか。


見てるのがばれたのか、吏那が上目で俺を窺う。


やっべ。


「頭が疲れたので少し休憩しますか?」

「そうだな」


吏那は座ったまま凝り固まった筋肉を解すように手を上に伸ばして軽く柔軟体操をした。


「今日も椎名先輩はバイトですよね?」

「あぁ」

「いつか私も椎名先輩が働いてるとこ見たいです」