眠れる森の彼女

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がさごそと机の中やロッカーに仕舞いっぱなしの教科書を全て出す。


──ねぇな。


俺のネクタイピン、どこにやったのかマジで覚えてねぇ。


「万威、何してるんだよ?」

「あぁ。少しな」


俺の席に近づいてきた織原が疑問を投げかける。


捨ててねぇなら、家に持って帰ったか?


あんな小さいモノ、早々に見つからねぇよ。


購買で買ってくるか。


いや、それじゃ何か意味がねぇ気もする。


吏那が喜んでたから渡してやりてぇんだけど。


「今年もマライヤの歌声が俺を苦しめます」