眠れる森の彼女

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今日も朝日は冷えきった地上に穏やかな光と熱を届ける。


12月に入り、厳しい寒さが骨身に染みる頃。


俺は変わらず美術室で昼休みを過ごしていた。


変わったことと言えば、吏那が作ってくれた弁当を食べるようになったこと。


何より目の前の吏那が“俺の彼女“だってこと。


「今日は卵焼きうまく焼けたんです」

「あぁ。うまい」


吏那も吏那母に習いながら弁当を作ってくれてるらしい。


初めは申し訳ないと遠慮したけど、

『吏那に料理を教えるのにちょうどいいの。私があんなに言っても進んでキッチンに立たなかったのに、本人がいつになくやる気だしね。
それに万威くんが吏那を助けてくれたお礼まだまだ足りないと思ってるから』

吏那母に押し切られるような形で甘えてしまっている。