眠れる森の彼女

「俺が吏那以外の女と付き合って、吏那は本当にいいのかよ!」


まただ。


吏那のこととなると俺は熱くなる。


1階にまで丸聞こえだろう。


恥より何より吏那に届いてほしい。


「だって、私は普通じゃないんです。仕方ないじゃないですか……」


扉越しでも吏那が泣いてるのがわかった。


あぁ。もう愛しい。


愛しくて苦しくて窒息しそうなほど、吏那が好きだ。


「吏那が俺に引け目を感じる必要はねぇだろうが!
俺は吏那が好きだって言ってんだよ!」


どうしてこうもスマートに想いを伝えられないんだ。


本当は扉を蹴破ってでも吏那を抱きしめたい。


だけど駄目だ。


吏那自身が壁を乗り越えて一歩踏み出さなければ意味はない。


「頼むから、顔見せろよ……」