眠れる森の彼女

やっと聞けた吏那の声。


吏那が“椎名先輩“と呼ぶ響き。


それだけで泣きそうになってる俺は馬鹿みたいだ。


「な、何で……? 椎名先輩が……」


ひどく吏那は慌てふためき混乱している。


「宗志さんに頼まれて迎えに来た。学校、一緒に行かねぇか?」

「お兄ちゃんが……」


宗志さんと吏那母は、後は俺に任せたと言わんばかりに階段を降りてしまう。


全面的に信頼されても、この扉が吏那の手によって開けられるかはわからない。


「吏那のこと、宗志さんから聞いた」

「……」


扉の奥は無音。


それでも続けた。


「そのうえで正式に吏那に告白しに来た」